今夜11時40分過ぎだった。
オリンピックのカーリングを観ていた筈の母はコタツの横で長くなって少し横を向いて眠っていたようだ。
いきなり「ウワー、ウワー、・・・」と叫びだした。
何度もそう叫んで、右手で何かを払いのけるような仕草をした。
これは何か悪い夢を見ているなと思い、叫ぶ声で応じた。
私が叫ぶのはいつもと同じアスカイヤー。
自力で引き出すときもある。
出ないときはいくら頑張っても出ない。
出るときは出る。
数分叫んでいただろうか。
母も叫び私も叫び、叫び合っていた。
母は起き上がり、点けていた電気ヒータのスイッチを切った。
そして今、夢を見ていたと宣い、夢の内容を教えてくれた。
母はトイレに居たそうだ。
母が用を足しているとき、私は家の西側にある勝手口から
西瓜の皮を山盛り入れた特大ボウルを持って生ゴミを捨てに行ったそうだ。
またもう一つのボウルにはザボンの皮のたくさん持っていったそう。
それを見た母はまたこんなに大量にスイカを食べたのか、だからいけないんだと思ったという。
用を足し終えてウォシュレットのスイッチを押そうとしたらスイッチが消えていた。
あったはずの予備のペーパーも袋ごと無くなっていて、ポツンと座っていたそう。
居間の方に来てトイレはどこに行ったのかと私に訊くと、
そこにある、壊れたので修繕をしていると言ったそう。
そこには一人男性が居て、ドライバーを持っていたそうだ。
母はその人とカーリングは面白いですね、などと喋ったという。
その人は間もなく外に出て行ってしまった。
勝手口の方を見てみたらドアが開いていた。
わがーなんしよっとか、はよー閉めんかと母は私に言ったそう。
私はいつものことだが、モタモタしていたらしい。
裏(勝手口)に行ったら猫のような猛獣が3匹いて、ワァーオワァーオと叫んでいる。
1匹は身体が大きく寅のような感じ、2匹は猫を大きくしたような感じだったそう。
ハァーッと歯をむきだして息を吐き、ワァーオーワァオとオメーテいる。
母もオメータ、私もオメータ、オメキぐりゃーした。
私がもたついてドアを閉め切れずに居たら
その三匹が私のドン腹に食らいついてきた。
しがみついて、ぶら下がって、かんちいとった。
その3匹を振り外して、奴らが家の中に入らないように、
ドアを閉めて、何とか閉めて、閉めることができた。
母は私に、腹は大丈夫かと訊いた。
そこで目を覚ましたそうだ。
何という夢か。
でも正夢。
母がオメーテいたとき、私もオメーテいた。
私はパソコンの前に座っていて、寝ている母が叫びだしたので一緒に叫んだのだった。
実は私、20年前の春、霊から憑依されていると言われた。
寺や修験者、霊能者、行者など色々な人に観てもらった。
動物霊が憑依している。
三体憑依している。
何にでも化ける。
離すには長くかかる。
などなど、色んなことを、支離滅裂に言われてきた。
私が自分なりにまとめてたどり着いたところは
「傀儡精」というボスが居て、セイカイタイ、カイセイタイ、オッカイタイと言う3匹が居たこと。
そのうちの1匹、多分オッカイタイが出て行ったことは感じている。
母は信心深い。
昔から、ずっとそうだった。
ご先祖様からも慕われているらしく、しょっちゅう縋られてしまう。
そのため、年に何度かは先祖供養のお願いをしている。
私は形から入る。
だから形ばかりだ。
信心がない。
自分でそう思っている。
毎朝の読経も習慣にはなってきたが・・・。
般若心経と先祖供養のお経を上げているつもりだが・・・。
何を目指しているのか、心中は空っぽ。
憑依。
あれから20年、やっと、この喪われた時間を振り返る時が来たのか。
否、答えはまだ見つからない。
数年間うつで苦しんだが、その比ではなかった。
統合失調症と診断された。
症状は「憑依妄想」だった。
病と憑き物と共にこの道を行く。